'小沢健二 / 犬は吠えるがキャラバンは進む'

海岸線。海に。太陽が溶けこむとき――銀色に光る水面に映る、ふたりぶんの影――ふたりぶんの影。そして、影。無数の平行線がクロスしては、あいさつをくりかえす――「こんにちは」「おはよう」「また逢えたらいいね」「おやすみ」「さようなら」「ありがとう」――子供たちが交わした約束――守れなかった約束。辿り着けなかった海。逃げ出した夜。意味のないものなんてなにもないって、狂った。恋をしては閉じこめた。愛が何度でも引き裂いた。


あの'学校'は切り落とされたけれど――雪を払い、はね上がる枝を見た。日常にだけ積もった奇跡。神様を信じる強さを僕に。生きることを諦めてしまわぬように――コールド・ハード・ワールドに鳴り響くカノンが聴こえる?