ノー・フレンズのゲーム攻略法

お前のはらわたを喰らい尽くす

第一回:スーパーマリオブラザーズ

text by no friends

さて、今回で最終回となったこのコーナーですが、記念すべき第一回目のゲームは、1985年9月13日に発売となった「スーパーマリオブラザーズ(4,900円:税別)」です。

このゲームは、御存知の通りボスである「クッパ」という意思を持った爬虫類にさらわれた「ピーチ」という娘を助ける為に、配管工という社会的地位を持つヒゲ面の「マリオ」という元気のよいオヤジを操り、キノコを喰らい、巨大化し、火の玉を投げ、海を泳ぎ、死ぬ。という痛快アクションゲームです。

では、早速攻略していきましょう。

まず、学校や職場からの帰り道、スーマリの事を考えます。家に帰り着き、階段を上がりながら(注:スーマリをするには、二階以上に住む事が必要です。一階に住んでいる方は、前回の「ノー・フレンズの引っ越ししようよ」を参考に引っ越しして下さい。)気持ちを高ぶらせます。

そして、押し入れの奥からカセットとファミコンを取り出し、電源を入れます。が、ここで注意が必要です。先にテレビをつけてしまいますと、何か楽しい番組(あぶない刑事、等)が放映されていたとき見入ってしまう恐れがありますので、ファミコンの電源を入れてからテレビをつけましょう。

長年使っていないゲーム機とカセットですので、十中八九接触不良で映っていないでしょう。そういう時は、まず、ファミコンとカセットの接触部分に、あなたの夢のこもった吐息を吹き込んでみましょう。それでもダメならば、3〜4発程カセットを鉄菱で殴った後、天井にぶつけてみましょう。「ハー」という奇声を発するのを忘れずに、2〜3回以上それを繰り返します。

さて、タイトル画面が映りましたが、あわててスタートボタンを押してはいけません。私達も、もういい大人です。あの頃のように、何も考えずにゲームをする訳にはいきません。辛い事もあるでしょう。腹が立つこともありますね。今、この大切な時期にこんな事をやっていていいのか?自分の将来は?結婚について。就職。老後。そういった事を、タイトル画面を見ながら考えます。自分をみつめ直したうえで、横に友人がいないかを確認し(注:もし、いた場合は2PLAYを選ぶ必要があります。)すべてを忘れてスタートボタンを押します。

ゲームスタート!

高ぶる気持ちを押さえながらBボタンを押しながら、ヒゲを走らせます。もう、このヒゲはあなたの忠実な下僕、生かすも殺すもあなた次第。あなたは、この配管工の命を背負う事になったのです。命の重さを知りましょう。二秒ほどすると「クリボー」が一匹で歩いているのが見えてきます。この不可思議な生物を、まず殺ります。

憎しみを込めて踏みつぶすのです。後に「あの"クリボー"は敵ではなく、ただ散歩していただけなのかも…」と考えてしまうかもしれませんが、そんな事は知りません。動いているモノはすべて殺る。あなたの中に眠っている修羅を目覚めさせます。玩具は壊すためにあるのです。

さて、マップや「きのこ」、「スター」や「フラワー」の位置、敵の特徴等については、発売中の攻略本を読んで下さい。

次に、もし死んでしまったら…。

あなたの操作ミス等でヒゲが悲痛な顔をした後、死んでしまったならば。

まず、コントローラーをファミコンに向かって全力で投げつけます。コントローラーにかみつくのもいいでしょう。これで大抵の怒りはおさまりますが、あまりの不条理さに、まだ解せない方は、テレビを優しく持ち上げ、窓をぶち破って下に投げつけます。これで全てに決別できます。下の階で砕け散るテレビの音を聞いた時、ヒゲの死などという些細なことは、すぐに忘れられるというものです。自分の好きな音楽を聴いた後、寝ましょう。大切なのは勢いです。

結論として、私はどうやら疲れているようです。この辺にして、眠らせていただきます。夢も見たくないです。。