chibinova

ぶっちゃけわたしは学歴にかなり苦しめられたクチですから、自分が心酔した『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』を、東大の院を出た学者さんに

このようなすぐれた作品(=『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』)について、ハイカルチャーサブカルチャーだ、学問だオタクだ、大人向けだ子供向けだ、芸術だエンターテイメントだといった区別なしに、自由に分析し、自由に批評できるような時代を作るために、本書は書かれている。これ以降の展開は、読者ひとりひとりの手に委ねたい。
東浩紀動物化するポストモダン』)

とまで持ち上げられたら、そりゃグラッともいきそうになりますよ。で、それはSKBが望む環境でもあるんです(対外的にそう設定されている、と近似値)。でもね、我々は他にも東大の院を出た学者さんで、『モンドミュージック2001』などを通して、気持ち悪い状況を作り上げるのに一役買った人物も知っているんです。もちろん本人はまったく無自覚だろうし、罪の意識もないことでしょう。けれども、確実に気持ち悪い世界は存在するし、他者を踏みつけにすることで自分が気持ちよくなるシステムを作るのに手を貸した事実は、決して拭えない。みんなね、どっかにイデアがあるって信じ込んじゃってる。やっぱりユートピアが欲しいのかな。そんなものなどないと知ったら、絶望してしまうのだろうか。ある意味、そういった人たちは繊細なんでしょうね。そして別の意味で、尊大かつ厚かましい。まぁ、わたしの無知からくる誤謬かもしれないのですが、少なくともポストモダンなみなさんほど、やり方をスマートに見せることはできないです。かと言って、素朴に人工楽園を志向できるほど無邪気でもない。現代日本という土壌の中で、弱小ながらクラブイベントを主催している立場としては、いちばん中途半端で、傍迷惑な存在なのかもしれないな。